整備事例

ルークス エバポレーター交換

平成22年式、2.6万km走行の日産ルークス(ML21S)。
エアコンのガス漏れで、他業者様からの入庫です。

日産ルークス


この車種はスズキのOEMで、エバポレーターからのガス漏れに対して保証延長が出ていましたが、残念ながら入庫時点で既に保証期間は終了していたため、自費修理となります。

エバポレーターからのガス漏れが頻発している車種とはいえ、いきなりそこに決めつけるのは危険なので、蛍光剤入りのガスやリークテスターなどを用いてひととおり点検した上で、おそらく間違いないだろうと判断して作業にかかります。

インストルメントパネルの取り外し準備
インストルメントパネルの取り外し準備

まずは、メーター周り、オーディオ周り、グローブボックス周りを分解し、インストルメントパネルの取り外し準備にかかります。

インストルメントパネル取り外し
インストルメントパネル取り外し

そして、インストルメントパネルを取り外すと、エアコンユニットが見えてきます。

エンジンルーム側の作業
エンジンルーム側の作業

次に、エンジンルーム側から、ヒーターコアにつながるホースと、エキスパンションバルブにつながるパイプを外します。

取り外したエアコンユニット
取り外したエアコンユニット

そうすると、エアコンユニットを取り外すことができます。

エバボレーター新旧
エバボレーター新旧

さらに取り外したエアコンユニットを分解してエバポレーターを取り出すと、予想通りガス漏れの跡が見られました。
新しいエバポレーターは対策品らしく、少し形状が異なっています。

ガスチャージ
ガスチャージ

新しいエバポレーター、エキスパンションバルブ、サーミスタを組み付けたエアコンユニットを車両に取り付け、各部を元通りに組み付けたら、真空引きを行った後に規定量のガスを注入して作業終了です。

モビリオ オルタネーター交換など

平成16年式、15万km走行のホンダモビリオ(GB2)。
アイドリング中にエンジンが停止し再始動できなくなったために、レッカー搬送されてきました。

ホンダモビリオ

症状としてはバッテリーが上がってスターターモーターが回らない状態ですが、さっきまで動いていたエンジンが止まってスターターが回らないということは、ちゃんと充電がされていないものと考えられます。
というわけで、とりあえずジャンピングでエンジンを始動して、オシロスコープでオルタネーターのリップル波形を確認してみました。

リップル波形
リップル波形

これはもう典型的なオルタネーター不良の波形で、その形から判断すると、ダイオードが1個断線しているものと思われます。

さっそくリビルトのオルタネーターを手配して交換することとしました。
また、お客様の要望で、ついでにスターターモーターも交換することになりました。

インテークマニホールド
インテークマニホールド取り外し
オルタネーター新旧
オルタネーター新旧
スターターモーター新旧
スターターモーター新旧

オルタネーター交換後のリップル波形を確認すると、正常な波形が見られました。

正常なリップル波形
正常なリップル波形

バッテリーはまだ新しいものだったので、今回は充電して使用することとしました。

タイタン 警告ブザー鳴りやまず

平成4年式のマツダ タイタン。
バキュームタンクの警告ブザーが鳴り止まなくなったということで入庫です。

バキューム点検
バキューム点検

この警告ブザーは、ブレーキの倍力装置等に利用する負圧が不足したときに鳴るものなので、まずは、バキューム点検を行います。
バキュームホースに負圧計を接続しエンジンを始動すると、みるみる圧力が低下して規定の負圧に到達し、エンジンを切ってもその負圧が維持されます。
つまり、バキュームポンプにもタンクにも異常がないということです。

バキュームスイッチ
バキュームスイッチ

次にバキュームスイッチの点検です。
このスイッチは少し前に交換したもので、点検の結果、機能に問題はありませんでした。

メーター取り外し
メーター取り外し
メーターの裏側
取り外したメーターの裏側

となると、あとは配線の短絡(地絡)しか考えられませんが、短絡箇所を探すのはとても困難ですし、修理も難しいです。
今回はおそらくメーター基盤内での短絡の可能性が高かったので、短絡箇所を探すのはやめて、新たに配線を引きなおすことにしました。

メーターに新たな配線
ブザーに新たな配線を接続

ブザーには、イグニッションONで黄色い配線からプラスの電流が流れます。
そして、緑色の配線がマイナスアースに接続されると音が鳴る仕組みのようです。
なので、ブザーの緑色の配線に新たな長いコードをつなぎ、

バキュームスイッチに接続
緑色の配線をバキュームスイッチに接続

その先端を、バキュームスイッチに接続すればOKです。
古い配線は切断して、先端に絶縁テープを巻いておきます。

最後に、イグニッションONでブザーが鳴り、エンジン始動後しばらくしてブザーが鳴りやむことを確認しました。

セレナ ラジエターファンモーター交換

平成24年式、9.5万km走行の日産セレナ(HFC26)。
停車時にエアコンが冷えないとのことで点検してみると、ラジエターファンモーター不良でファンが回っていなかったので、ファンモーターの交換です。

セレナHFC26
バッテリーなど取り外し
バッテリーなど取り外し

ファンモーターを交換するためには、まずファンシュラウドを取り外す必要がありますが、なかなか簡単には外れてくれません。
まず、冷却水を抜いて、エアダクト、ラジエターアッパーホース、サブバッテリー、バッテリートレイ、ブラケット、CVTフルードパイプなどを外します。
それでも、ファンシュラウドは外れません。

ラジエターフィラーネック
ラジエターフィラーネック

このラジエターフィラーネックと呼ばれる部分が出っ張っているために邪魔になって、なかなか抜けないのです。

マウントブラケット
マウントブラケット

そこで、整備書には記載がありませんが、ラジエター上部のマウントブラケット左右を取り外すことにより、ラジエターを少し動かせるようにします。
こうすることで、かなり苦労はするものの、何とかファンシュラウドを取り外すことができます。

ファンシュラウド
取り外したファンシュラウド
ファンシュラウド取り外し状態
ファンシュラウド取り外し状態

ファンシュラウドが外れてしまえば、あとはそう難しくありません。

ファンモーター交換
ファンモーター交換

ファンを外して、ファンモーターを交換します。

冷却水補充
冷却水補充

ファンシュラウドを組み付け、取り外した各パーツを元通りに組み付けた後、抜いた分の冷却水を補充して作業完了です。

 

CR-Z 左クォーターパネル他鈑金塗装

平成24年式のCR-Z(ZF1)。
左クォーターパネルと左サイドシルガーニッシュを、鈑金塗装で修理です。

CR-Z 左側面の損傷
左クォーターパネルの損傷状況
左クォーターパネルの損傷状況

左クオーターパネルは、広範囲に凹んで、フロントドアから続くプレスラインやホイールアーチのプレスラインも変形しています。

左サイドシルガーニッシュの損傷状況
左サイドシルガーニッシュの損傷状況

左サイドシルガーニッシュは、上部がひび割れています。

左クオーターパネル修理
左クォーターパネルの修理

左クォーターパネルは、鈑金とパテで形を整えます。

サイドシルガーニッシュの補強
サイドシルガーニッシュの修理
サイドシルガーニッシュのパテ仕上げ
サイドシルガーニッシュの修理

サイドシルガーニッシュは、裏からFRPで補強し、表側はパテで形を整えます。

マスキング
マスキング

今回は仕上がり優先で、リアバンパー、左テールランプユニット、左ドアアウターハンドルを外し、クォーターパネルに隣接するドアまでボカシ塗装を施します。

塗装完了(ボディ)
塗装完了(サイドシルガーニッシュ)
塗装完了
完成
完成

塗装磨きの後、取り外したパーツを取り付けて完成です。
キレイに仕上がりました。