整備事例

新車のムーブキャンバスをツートンカラーに

医療系の法人様ご購入いただいた、新車のムーブキャンバス。
施設の送迎用の車両として、オリジナルのツートンカラーに仕上げるご依頼をいただきました。

道路を走っているムーブキャンバスはツートンカラーが多いですが、今回のベースとなる車両は、ホワイトパールです。
塗装に先立ち、塗り分ける位置を決めたら、各部を分解します。

ムーブキャンバス バンパー外し
バンパーとヘッドライトを外し
ムーブキャンバス ドア外し
フロントドアとスライドドアを外し

塗装する箇所が多く一度に塗ることが困難なので、個別に塗っていきます。

ムーブキャンバス ボディ塗装
ボディを塗装
ムーブキャンバス バンパー塗装
前後のバンパーを塗装
ムーブキャンバス ドア塗装
ドアを塗装
ムーブキャンバス オリジナルステッカー貼付け
フロントドアにオリジナルのステッカーを貼付け

オリジナルデザインのステッカーは、お客様からデータをご提供いただき、カッティングシートを作成して貼り付けました。

ムーブキャンバス 搬送
完成した車両を搬送

完成した車両を積載車で納車しました。
メーカーで用意されたツートンカラーではないオリジナルの色なので、ちょっと目を引く車ですね。

スバルXV 後部破損修理

バックで建物の外壁に激突し、リヤバンパー、バックドアなど、車両後部を激しく損傷した平成25年式スバルXV(GP7)。
車両保険にて修理です。

スバルXV 後部破損
後部破損状況

かなり勢いよくぶつかったようで、バンパーとバックドアが大きく変形しています。

スバルXV バックパネル
バックパネルも変形

バンパーを外すと、バックパネルも大きく変形しているため、交換となります。

スバルXV バックパネル取り外し
バックパネル取り外し
スバルXV バックドア、バックパネル仮付け
バックドア、バックパネル、テールランプの仮付け

バックパネルを剥がし、フロアパン等の鈑金を行った後、新品のバックドア、バックパネル、テールランプを仮付けし、フィッティング作業を行います。

スバルXV バックパネル、フロアパンの塗装
バックパネル、フロアパンの塗装
スバルXV バックドアの塗装
バックドアの塗装

フィッティング作業が完了すると、バックパネル周り、バックドアの塗装を行います。

リヤバンパー
新品リヤバンパー

リヤバンパーは色つき新品と交換です。

スバルXV 修理完了
修理完了

バックドアのガラス、配線、エンブレム、その他の細かいパーツを組み付けて、修理完了です。

エリシオン スターターモーター交換

走行距離18.0万km、平成19年式のエリシオン(RR1)。
ガソリンスタンドの洗車場でエンジンがかからなくなったとレスキュー依頼があり、積載車で引き上げてきました。
そのガソリンスタンドに併設された整備工場で車検を受けた車両らしいのですが、スターターモーターの修理は受け付けてもらえなかったそうです。ひどい話です。

エリシオン インマニ
インテークマニホールド

この車両は、スターターモーターへアクセスするためには、インテークマニホールドを外さなければなりません。
そのため、ガスケットの交換も必要となり、工賃も含めて修理費が割高となります。

エリシオン リビルトスターターモーター
新旧スターターモーター

スターターモーターはリビルト品を手配しました。

エリシオン スターターモーター組み付け
スターターモーター組み付け

新しいスターターモーターを組み付け、インテークマニホールドのガスケットを交換して組み付けたら完了です。

ついてでに、ファンベルトがかなり傷んでいたので交換し、冷却水が減っていたので補充しました。

キャリィトラック コンデンサーファン交換

走行距離7.2万km、平成20年式のキャリィトラック。
走行中は良いのだが、信号待ちなどの停車中に冷房が効かなくなるとの症状で入庫。

この症状は、コンデンサーファンの不良でほぼ間違いなしですが、念のためファンモーターにバッテリーを直結してみたところ、やはりファンは回りません。
というわけで、ファンモーターの交換です。

キャリィトラック 冷媒回収
クーラーガスの回収

ファンモーターだけを交換したいのですが、この車両はコンデンサーを外さないとファンが外せない構造となっているため、クーラーガスを回収し、コンデンサーを外しました。

キャリィトラック コンデンサーファン
コンデンサーファン

さらに、故障しているのはモーターだけなので、モーター単体で部品が出れば良かったのですが、この車両ではファンシュラウド一体でしか部品が出ないため、無駄に部品代が高くなってしまいます。

新しいコンデンサーファンを取り付けて、コンデンサーを元に戻した後に、真空引きを行いクーラーガスを規定量充填しました。
停車時でもよく冷えるようになりました。

ポルシェ914 ヘッドライト不点灯修理

以前は別の車両に乗っていたお客様が個人売買で入手されたポルシェ914。
ヘッドライトのハイビームとフォグランプが点灯しないということで入庫しました。

ポルシェ914

初めて入庫する車種ですしノーマル状態でもないので、修理できるかどうかちょっと不安でしたが、とりあえずお預かりして点検してみることに。

ポルシェ914 ヘッドライトリレー
ヘッドライトリレー

ハイビームが点灯しない原因は簡単に特定できました。
ヘッドライトリレーがウチのカルマンギアと同じだったので、試しに交換してみたところちゃんと点灯します。
ということで、リレーを新しいものに交換することで解決です。

ところが、フォグランプが点灯しない原因を特定するまでには、ずいぶんと頭を悩ませることとなりました。

ポルシェ914 フォグランプリレー
ヒューズボックス裏側のリレー

ヒューズボックス裏側のリレーが一つ付いていないことがわかり、それがフォグランプのリレーであることもわかりました。
隣に付いているホーンリレーと同じマルチファンクションリレーが付くようになっていたので、とりあえずホーンリレーを代わりに取り付けてフォグランプのスイッチを入れてみると、すぐにヒューズが切れてしまいます。
いずれにしても、リレーは必要となるので、リレーを手配して届くまでの間に原因を特定しようと試みました。

フォグランプの外してバッテリーに直結してみるとちゃんと点灯するので、球切れではないし、フォグランプ自体には問題なさそうです。(←結果的にはこの判断が間違っていたのですが…)
となると、配線がどこかで短絡しているためにヒューズが飛んでしまうと考えられます。
しかし、配線をたどって短絡している箇所を特定するのは困難なので、新たにバッテリーから配線を引きなおして、そこにリレースイッチを追加することにしました。

ポルシェ914 フォグランプ配線
新しいフォグランプの配線とリレー

しかし、それでも問題は全く改善されず、スイッチを入れるとヒューズが飛んでしまいます。
フォグランプの手前まではちゃんと12Vの電圧が来ていて、フォグランプ単体で抵抗を計ると短絡しているわけではないのに、フォグランプと電源を接続してスイッチを入れるとヒューズが飛んでしまう。なぜ???

ポルシェ914 フォグランプ
フォグランプ

フォグランプを分解してみて、ようやくその原因がわかりました。
このフォグランプにはH3バルブが使用されていたのですが、不思議な加工がしてあって、プラスとマイナスが逆に接続されていました。
通常、H3バルブはプラス側は配線に接続するのですが、マイナス側はフォグランプボディに接続されて車両のボディアースにつながる仕組みになっています。
ところが、このフォグランプではプラス側の配線がボディーアースに接続され、マイナス側の配線が本来プラスが接続されるところに結線されるように加工されていたのです。
そのため、手持ちのバッテリーに接続した場合にはプラスとマイナスが逆でもライトは点灯するし、プラスとマイナスの配線間の抵抗を計っても短絡していないわけです。
しかし、車載のバッテリーから電源を供給した場合には、バッテリーのマイナスはボディにつながっているので、フォグランプのスイッチを入れた瞬間にショートしてヒューズが飛んでしまうというわけです。

わかってしまえば何てことのない原因ですし、いつ誰がこんな加工をしたのかわかりませんが、まさかこんなことになっているとは思いもしないので、ずいぶんと遠回りしてしまいました。
以前のオーナーさんは、なぜかスイッチを入れるとヒューズが飛んでしまうので、リレー自体を外して使えなくしていたのだと思われます。

新しいH3バルブに付けかえて、無事にフォグランプは点灯するようになりましたが、ちょっとびっくりして、間違えて加工された箇所の写真は撮り忘れてしまいました…