フィットのタイヤが変形
ホンダフィットにお乗りのお客様から、走行中にガタガタ振動するという連絡をいただき、すぐにお客様のところに状況確認にうかがいました。
試運転してみると、走行速度に応じたゴトゴトといった振動が伝わってくることがわかりました。


車を降りてタイヤを確認すると、(写真だとちょっと分かりにくいですが)左リアタイヤの一部がいびつな形に膨らんでいることに気がつきました。

タイヤを車から外して、縦方向から見ると、真ん中がマルク膨らんでいることがよくわかります。

バルブコアを外して空気を抜くと、波打つように変形しました。
タイヤはゴムだけでできているわけではなく、タイヤのトレッド部(接地面)は、カーカスと呼ばれるワイヤー状の金属やベルトと呼ばれるメッシュ状の金属等で補強されているのですが、真夏の炎天下のアスファルト上に長時間駐車していたことにより、これらの金属が断裂したか、熱膨張により変形してしまったのでしょうか。
タイヤの溝はまだかなり残っていましたが、6年前に製造されたタイヤだったため、お客様の了解を得て4本とも新品に交換しました。
このようなこともあるので、タイヤは早めの交換をおすすめします。
トヨタIQ トルコン太郎でCVTF交換
平成21年式、5.6万km走行のトヨタIQ。
トルコン太郎でCVTF交換のご依頼です。

今回は、オイルパン脱着・清掃は行わず、CVTFのみの交換です。
この車両は、クーラーラインのホースが外に出ておらず、また、レベルゲージも設けられていないため、すべてオイルパン下からの作業となります。


まず、CVTのオイルパンから、ドレンプラグとオーバーフローチューブを取り外し、オイルパンに溜まっている古いCVTFを排出します。


古いCVTFが排出できたら、オイルパンにアタッチメントを装着し、トルコン太郎を接続してCVTF循環式交換です。

今回、使用したのは、ワコーズさんのCVTFです。

循環交換を終えたら、オーバーフローチューブを装着し、規定量+αのCVTFを充填し、オーバーフローで量を調整するのですが、交換作業を行っているうちにCVTFの油温が上がってしまうため、オーバーフロー調整の規定の油温(35℃~40℃)まで温度を下げる必要があります。
ところが、この時期の気温では、放っておいたらいつまでたっても油温が下がらないので、スポットクーラーと扇風機で強制的にCVTFを冷まします。


油温が十分に下がったら、エンジンを始動して、規定の油温でオーバーフローさせて量を調整します。
オーバーフロー後は、ドレンボルトに新しいパッキンを装着して、規定のトルクで締め付けて作業完了です。
キャリィダンプ クラッチオーバーホール
平成17年式、9.8万km走行のキャリィダンプ。
畑で発進不能となり、引き上げてきました。
クラッチのオーバーホールです。

下回りの泥汚れがひどかったので、まずはスチーム洗車からです。
ダンプは荷台を上げることができるので、洗いやすくて良いですね。


2DWであれば一人で持てるくらいの重さなのですが、4WDだとトランスファーと一体なので重いです。
とはいえ大人2人もいれば持てなくはないのですが、万が一、落としたりしたら大変なので、ミッションジャッキをセットして安全に作業をします。



ミッションを下ろしてみると、レリーズベアリングが損傷しかかっており、クラッチディスクもほぼ限界まで摩耗していました。

レリーズフォークとその周りをキレイに掃除して、新しいレリーズベアリングをセットします。

エンジン側に新しいクラッチディスクとクラッチカバーをセットし(写真、撮り忘れました…)、ミッションを組付けます。
最後に、プロペラシャフトを取り付けて作業完了です。
ステップワゴン ブレーキキャリパーオーバーホールなど
平成22年式、7.9万km走行のステップワゴン(RK1)。
車検でご入庫いただきました。


フロントブレーキの分解点検を行った際に、キャリパーのピストンブーツに大きな破れが見つかったので、キャリパーのオーバーホールを行うこととしました。

ピストンを抜き取ると、中から不思議な色の液体が出てきました。
ブレーキフルードとピストンの隙間から浸入した雨水とが混じって、乳化したものと思われます。
弊社に入庫したのは初めてのお車ですが、かなり前からブーツが破れていたのかもしれません。

ピストン、シリンダー、スライドピンなどをキレイに清掃し、

新しいゴム類を取り付け、ピストンを挿入してオーバーホール完了です。
追加で、エンジン、ミッションのマウント交換もご依頼いただきました。

エンジン右側のサイドマウンティングAssyを外した状態です。
交換したマウントは、以下のとおりです。




マウント類をすべて交換したので、エンジンの振動が抑えられ、運転時の快適性が向上しました。
フェアレディZ クーラーコンプレッサー交換
平成15年式、11.9万km走行のフェアレディZ(Z33)。
エアコンが冷えないとのことでご入庫です。

まず、ゲージマニホールドを接続し、冷媒ガスの圧力を測ってみたところ、ガスは十分に入っている様子でした。
しかし、エンジンを始動しエアコンのスイッチをONにしても、低圧(青)と高圧(赤)が同じ圧力を示したままで、ほとんど動きません。
本来であれば、コンプレッサーの働きにより、低圧側の圧力が下がり、高圧側の圧力が上がるはずなのですが、低圧は高過ぎ、高圧は低過ぎの状態となっています。
目視でマグネットクラッチを確認するとコンプレッサーは回っていますので、コンプレッサーの圧縮不良と診断されました。

まずは、冷却系統内の冷媒ガスを回収します。

古いコンプレッサーを取り外し、リビルト品のコンプレッサーに交換します。
コンプレッサー交換の場合、新品のコンプレッサーはとても高額なので、新品の半額程度のリビルト品を使用することが大半です。

コンプレッサーを交換した後、真空引きを行い、冷媒ガスを規定量充填したら、良く冷えるようになりました。
ゲージの圧力値も、最初の写真と比べると、低圧側が下がり、高圧側が上がっているので、コンプレッサーがしっかり働いていることがわかります。
これで快適な夏をお過ごしいただけると思います。